YouTubeで面白い動画を見つけたり、
物凄いスクープ映像を見つけちゃって、
自分のブログやSNSに動画を貼り付けて共有した経験、ないかな?
他人が作成した動画には、著作権が存在し、
それに関わる注意点など、このサイトの他の記事でも色々説明してきた。
では、その動画を共有する行為は著作権違反や違法になるんだろうか?
解説していこうじゃないか。
目次
動画にリンクを貼ったことが著作権侵害となるかについて
ホームページやブログ、SNS等に動画のリンク(埋め込み動画含む)を貼ることが
著作権侵害とならないかについては、従来から議論があるんだ。
でも、経済産業省の「電子商取引及び情報材取引等に関する準則」でも述べているように
リンクを貼ったとしても視聴者に動画データを送信するのはあくまでリンク元である、
として一般的にリンクを貼る行為自体は著作権の侵害にならないと考えられているよ。
わかりやすくいうと、
共有した人は、あくまで動画URLや動画の埋め込みコードを貼り付けただけであり、
これらは著作物ではないんだ。
実際にこんな裁判事例があったのを覚えているかな?
動画配信した本人が動画を記事にしたロケットニュースを告訴
25年6月に、上半身裸でお店に入って警察に捕まる、という一部始終を
自分でニコニコ生放送配信した人がいた。
まあ、こんな動画を配信すること自体問題だけど、
そこから先が話題となったんだよ。
それは、本人がニコニコ生放送に配信した動画を観た第三者が、
その動画をニコニコ動画に転載したんだ。
その転載された動画を見て、ロケットニュースが記事として動画を紹介したんだ。
ここまではよくある話とも言えなくもないけど、
何と、このニコニコ生放送を配信した本人が、
ロケットニュースが動画を共有したことが著作権侵害にあたると、告訴したんだ。
大阪地裁が出した結論としてはこうだ。
- ウェブサイト上で本件動画へリンクを貼ったことは,
投稿者の著作権を侵害するものとはいえない。 - 第三者による著作権侵害につき、これを違法に幇助したものでもない。
故意又は過失があったともいえないから、不法行為は成立しない。
この件について専門家がわかりやすく解説してくれている記事があるから
詳しいことが気になる人は、こちらを参考にしてくれたまえ。
ただし、違法アップロード動画や、
他人の著作権や肖像権などを侵害している恐れもある動画に関しては、
その内容や体裁が、明らかに違法と判断できるものかどうかによって結果が違ってくる。
そのあたりについて説明しよう。
リンクを貼ったことが不法行為にあたるケース
その動画を、更に第三者が二次配布していって動画が広がっていくのが、
共有することのメリットだよね。
共有した人は、投稿した配信元にリンクが貼ったに過ぎないから、
共有すること自体は違法ではないってことだよな。
じゃあ、共有しただけの立場なら100%違法にならないかというと、
必ずしもそうとは言い切れないんだ!
共有=他者の著作権侵害を助ける(幇助)不法行為とならないかについて
結果からまず説明すると、
無断でアップロードされているか不明な著作物については
リンクを貼っても直ちに違法にはならない。
著作権者から抗議を受けるなどして、
無断にアップロードされた著作物であることを認識できた時点でリンクを削除すれば、
違法行為にはならないということになるんだ。
しかし、テレビ番組や、コンサートの隠し撮り、DVD映像の丸写しとか、
その内容や体裁で「明らかに無断でアップロードした著作物」と容易に判断できる場合
その動画にリンクを貼ったことが不法行為の成立になる可能性も否定できない。
ということだ。
あと、GoogleAdsenseを貼ってるブログで、違法動画を埋め込んだり紹介していると、
Adsenseが停止される可能性はある。
GoogleAdsenseの規約として、禁止コンテンツが定められていて、
その中にも著作権で保護されているコンテンツに対して明確に記載されているよ。
だから、明らかに著作権侵害している違法動画は共有しないことをおすすめするよ。
違法アップロードしてる人を支援することにもなっちゃうからね。
違法動画の見分け方については、
こっちの記事を参考にしてみるといいよ。
→ YouTubeで違法アップ動画かどうか判別する2つの方法
まとめ
今回のYouTube動画の共有が違法になるかの論点はわかったかな?
まとめると、こういう結果だよ。
- 他人が投稿したYouTube動画を共有することは違法行為ではない。
(貼り付けたのはURLやHTMLコードであり、それらは著作物ではないから。) - 内容が体裁上、明らかに違法アップロードだと判断できる動画は共有すべきでない。
- 内容や体裁上、違法アップロードかどうか明らかではない動画を共有しても
違法にはならない。 - 著作者から、もしリンクに対する抗議を受けた場合は、直ちに動画を削除すること。
講義を受けた時点で削除し対処をすれば、不法行為は成立しない。
そもそも、公式でも動画埋め込みコードやSNSシェアボタンが用意されてるあたり、
YouTubeにアップされた動画は、さまざまなメディアで共有されることが
前提となっていて、投稿者もそれを理解してるはずだと思うんだ。
YouTubeがここまで有名な、巨大なサイトになったのも、共有があったからこそだもんね。
動画を投稿する人にとっても、その動画を広めてもらえる事は有り難いはずだよね!
明らかに、その動画を誹謗中傷に使うとか、
違法動画とわかって共有するのはやめて、
正しく「感動や楽しさ」を共有してほしいな。